歌は戦場の絆。竪琴の音が触れ合う戦人の哀しみ
おすすめ映画情報27
ちわ、おいさんです。
相変わらず映画を観ていますw(*´∀`*)
まあ秋だからね。映画をたくさん見てもいいよね。
今回わしが紹介するのは「ビルマの竪琴」です。
わしが大好きな巨匠・市川崑監督の代表作。
これをピックアップしてみたいと思います。
静かな映像の中に佇む悲しみ
日活100周年邦画クラシック GREAT20 ビルマの竪琴 HDリマスター版 [DVD]
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- 発売日: 2011/10/04
- メディア: DVD
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
市川崑監督が好きである。
普通、クロサワとかオズとかが好きな人は多いだろうが、あまり市川崑その人の映像が好きだという人は、わしの周りの若い人たちの間ではいないのではないだろうか?
この映画は戦争映画である。
しかし派手なドンパチも目を覆いたくなるような暴力シーンもない。あるのはただ静かな悲しみだけ、そんな時間が淡々と流れていく。
音楽が好きな隊長に率いられたある小隊は、ビルマの奥地でも合唱をし合うほどの仲の良い隊で、その中の水島上等兵は特にビルマ産の竪琴の名手だった。
ある時イギリス軍と出くわした小隊は日本軍が降伏をしたことを知らされる。一行は降伏し捕虜になるためにムドンに向かうが、水島は隊長に呼び出され、三角山に立てこもったまま降伏しない小隊に投降を促す役を仰せつかる。しかし、水島はそのまま消息を経ってしまう。
重症の身で現地人に治療を受けた水島は、髪を剃り、仏教徒に化けてムドンに向かうが、その道すがら多くの無残な形で残されてしまった同胞たちの変わり果てた姿に衝撃を受ける。
水島は同胞たちの供養のためにビルマをめぐる決意をするのだった…
昔の戦争モノと言ったら、やはり無残な戦争を体験した人たちが映画の現場にもたくさんいた時代である。
だからもっと残酷な描写がたくさん出てくるのかと思った。
しかしこの映画には戦争の残虐さというよりもただ人間の宿業を哀しみとして嘆いているように思える。
涙が出るというわけではないが、映画の随所で挿入される小隊のみんなが歌を歌っている姿に胸が熱くならざるをえない。
歌で支えあう小隊たち
それにしてもこの小隊の隊長(三国連太郎)はいい人であるw(*´∀`*)
音楽大学で音楽を学んでいたというだけあって、隊員たち一人ひとりに合唱を教えて、何かあるたびに歌わせる部下思いの良い隊長だ。
またそれに懐いている小隊の結束もいい。
その内の一人にわしの大好きな水戸黄門で二代目水戸黄門を演じた西村晃さんがでているじゃあないか!www
うわー!若えー!西村晃若えー!最初観ていて誰かわからんかったw
それにしても三国連太郎も若い。若いところがどこか佐藤浩市似ているw
古い映画を観るのってこういう楽しみがあるからおもしろいよね。(*´∀`*)
そして映画の特徴としては、市川崑らしい静かな空気感と無駄を省いた演出がなんとも良い。
こうした静けさの中に何かしらの悲哀だとか恐怖だとかそういったものを描かせたら市川崑の右に出るものはいないだろう。
「盤嶽の一生」しかり「犬神家の一族」しかりこうした崑さんの描き方がわしは大好きである。
無駄のない演出から生み出される映像美は、きっと言葉に出来ない哀しみを描いているのだろう。
もうこういう映画監督って現れないんだろうなあ(;´∀`)